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統合型・独立型テストについて

TOEFL®テスト特性に言及している、京都大学 国際高等教育院 金丸准教授による

レポート:『生徒に最適な英語試験について考える』より抜粋

TOEFL Primary® / TOEFL Junior®のスピーキングとライティング テストは

統合型のテストです

統合型テストと独立型テストの違い

 TOEFL Primary®やTOEFL Junior®のスピーキングとライティングの試験(SW試験)について説明します。TOEFL Primary®、TOEFL Junior® のSW試験は、ただ話したり、書いたりするのではなく、読んで、聞いたものを整理して、「話す」、「書く」という形を取っています。これは統合型テストと呼ばれています。一方で、「読む」、「聞く」というインプットの部分をできるだけ切り離して、アウトプットの部分だけを測定するのが、独立したテストになります。たとえば、TOEFL iBT® のスピーキングで、「あなたの印象に残っている場所はどこですか」という設問に答える問題です。このような問題であれば、インプットの能力に左右されず、話すことに集中できます。評価する方も、インプットの能力ではなく、「文章を組み立てる力」や「英語の流暢さ」、「正確さ」だけを測ることができます。 しかし、それまでの言葉を使う上では、話すことにしても書くことに単独でしても、知識やその場で得た情報と切り離して行われることはあまりありません。統合型テストは、「インプットの理解」から始め、それを整理する能力も含め、どのようにアウトプットするのかまでを測定します。言い換えると、より現実に即したやり取りやコミュニケーションの能力をそのまま測ろうとしているのが統合型テストだということになります。

 

 もちろん、インプットを理解することが重要ですので、あらかじめ持っている知識で差が付かないようにしなければなりません。そのため、たとえばリーディングによるインプットでは、特定の国に関するものを取り上げる場合はアメリカのものが対象となります。TOEFL iBT®はアメリカ以外の方が受験することを想定していますので、特定の国の話題を取り上げると、そのことを知っている受験生に有利に働いてしまいます。たとえば、日本の歴史を題材にすると、日本の受験生は日本のことを知っていますので、インプットを理解する時に有利になります。そういったことが起こらないよう配慮されています。

 

 現在の試験は、統合型テストの出題が増えています。TOEFL iBT®のライティングは、これまで独立型と統合型の2種類が出題されていましたが、2023年の改訂で独立型のライティング試験は廃止されました。新しい試験では、ライティングは統合型テストのみになっています。また、新指導要領を念頭に置いた大学入学共通テストでも統合型の問題が見られます。新しい指導要領では、英語を使ったやり取りや理解・表現に重点を置く内容に変わっていますので、大学入学共通テストはそれを先取りしたものになってきています。今後の大学受験を見据える上でも、統合型テストへの対応を図ることが大切かもしれません。

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